いいことあったらいいなと思う日常
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勝手に萌えた設定で暴走した
また書いてみたぜww
変わらず覇十+ユベルのパラレル
あーこにこの設定で萌えを語ったら非常によく食い付いてくれたので多分暫く持続すると思う
ひとりよりふたりだと盛り上がるよねって話(何
また書いてみたぜww
変わらず覇十+ユベルのパラレル
あーこにこの設定で萌えを語ったら非常によく食い付いてくれたので多分暫く持続すると思う
ひとりよりふたりだと盛り上がるよねって話(何
今でこそ仲の良い双子だが、初めからこうだった訳では無いと知ると誰もが眉を寄せる。二人が別々にいる様子を想像できないのだ。
覇王と十代の両親は共働きで、裕福ではあったけれど家に居ない事が多かった。家に二人で留守を任されるとき、決まって両親は覇王に言った。十代をよく見ていてあげてね。
生まれつき原因は不明で耳の聞こえない十代を頼むと言う事は、両親からしてみれば当たり前の事だったのだろう。その事は解っていたけれど、それでも覇王は耳の聞こえない弟の事が好きではなかった。
両親が覇王に冷たかった訳では決してない。だが不自由のある十代をどうしても優先してしまうものだった。まだ子供だった覇王は仕方ないと知りつつも、両親の愛を独り占めしている(ように見えたのだ)十代が羨ましいと思ったし、また疎ましかった。彼もまた、まだ六つかそこらの子供だったのだ。
ある時二人の為に、父は子供たちが夢中になっていたカードゲームのブースターパックを幾つか買い与えた。十代の開けたパックの中に、ある一枚のカードが入っていた。そのカードはユベルといった。
十代も覇王もユベルの事が大好きになった。使い勝手は難しかったけれど、十代のデッキにはいつもユベルが入れられていて、覇王はそれが羨ましかった。
けれど、それ以上に覇王には羨ましかった事があった。
自分と十代が周りと違うのだと自覚したのは、言葉を覚え周りとコミュニケーションを取ることを覚えた頃だったと、覇王は思う。カードに宿る精霊たちはどうやら自分と十代にしか見えない事を知り、十代の声は自分にしか聞こえていない事、十代にも自分の声しか届いていないらしいという事。そして十代にしか、他の子供にも大人たちにも見えない精霊たちの声が聞こえない事をしったのだ。
覇王には十代にしかユベルの声が聞こえない事が妬ましかった。だから今考えれば他愛ないと思えないような意地悪もしたし、十代を無視するようなこともした。それでも十代は覇王の後を付いて来た。それが覇王を更に苛立たせた。
ある時、積もり積もった小さな苛立ちは噴き出した。それはある意味必然と呼べるものだったのだろう。
愉しげにユベルと声を交わす十代を見て、覇王は叫んだ。
「なんでお前ばかりユベルと話せる!」
叫んだ後、自分が叫んだ事を自覚した。十代を妬ましいと思っていたのだと知ったのは、もっと後になってからだった。
十代に対する不満は、一度言葉にすると堰を切ったように溢れ出た。我に返った時にはある事ない事全て投げつけた後で、驚いたように見開かれた十代の眸を見てどうしようもない思いに掻き立てられた。十代の後ろで、ユベルが困った様子で切な気に二人を見下ろしているのに胸が痛くなった。
固まった様に動かなかった十代の眸は次第に揺れて、最後には顔をくしゃくしゃに歪めて声もなく泣いた。鳴き声は聞こえなかったけれど、十代の悲鳴は確かに覇王に届いていた。暫く泣きじゃくった後、十代はぽつりと呟いたのだ。
「ぼくもみんなと話したい」
それを聞いて、覇王も泣いた。羨ましかったのは自分だけではなかったのだと、その時初めて本当の意味で解った気がした。二人で抱き合って泣きじゃくった。ユベルは優しい眸でそれを見ていた。
「覇王」
優しい声に呼ばれて振り向けばそこにはユベルがいて、ユベルはしゃがみ込んで覇王と目線を合わせる。
「君と少し話したくて、今君の夢にお邪魔させて貰っているよ」
人とは違う温もりを持つ異形の手が優しく頭を撫でる。
「十代と違って君にボクの声は届かないからね」
苦笑にも似た笑みを浮かべてそう言うユベルに、覇王は俯き呟く。
「十代にひどいことをした」
「そうだね。でも、君は後悔している。そうだろう?」
何も言わずに頷く覇王の頭に手を置いたまま、ユベル優しく言葉を紡ぐ。
「大丈夫、君は自分がした事をちゃんと認めた上でそれを謝る強さを持っているよ。きちんと謝れば十代は赦してくれる」
本当に許してくれるだろうか。不安そうにユベルを見上げる眸に、ユベルはもう一度大丈夫だと繰り返す。
「あのね、覇王。ボクは君に一つお願いしたい事があって此処に来たんだ」
そう言ってユベルは覇王を抱き締める。
「ボクは是から、君にとって、とてもひどい事を言うのかもしれない。ううん。きっと、とてもひどい事なのだろうね」
それでも聞いてくれるかい?尋ねられ、覇王は頷いた。
「君は優しい子だね」
そう呟いてユベルは少し強く抱き締めてから覇王を離して言った。
「少しでいいんだ、十代に優しくしてあげて。そしてボクの代わりに頭を撫でてあげてくれないかな。どんなに人に優しくして貰っても、十代に人の声は届かないから、彼は何時も不安なんだ。ボクたちは慰める事はできるけど、精霊だから十代に触れられない、頭を撫でる事も、抱き締めてあげる事もできない。両方を彼に与える事ができるのは、世界中で君ひとりなんだ」
だから、ボクの代わりに両方を十代に与えてあげて欲しい。
真剣な眸を真正面から受けて覇王は初めて思う。どうして十代は今まで泣かなかったのだろう。そう思ったらじわりと涙が滲んできて、服の袖で乱暴に拭った。正面のユベルの眸が優しく笑む。
「分かった」
覇王は頷く。これからはもっと優しくしてやろう。十代は自分が守るとユベルに言えば、頼もしいねと優しい笑みを向けられる。
「頼んだよ」
そこで目が覚めた。
体を起こせばすぐ横に十代が眠っていて、あのまま二人で眠ってしまったのだろう。見上げればユベルと目が合って、小さく笑って頷かれる。
あの夢での約束は確かな事なのだと覇王は確信する。
十代はおれが守るんだ。
覇王はそう決意して、眠る十代の頭をそっと撫でた。自分にユベルがしてくれたように。
幼い誓いを、ユベルだけがそっと見守っていた。
『覇王、ぼーっとしてどうしたんだよ。珍しい』
正面でテキストを広げていた十代に話しかけられ、覇王は意識が浮上する。
「……ああ、子供の頃を思い出していた」
『子供の頃?』
「お前が大泣きした時の事だな」
言われた十代はばつの悪そうな顔をする。
『何時の話だよ』
「忘れたな」
うだうだ言う十代を適当にあしらいながら覇王は思う。
十代を守るのは約束だからじゃない。俺が守りたいと思うからそうするのだ、と。
覇王たまにだけできる事とかあると萌えね?
あと、まんじょめにメンチきられてビビる十代を翔と覇王たまがヘルプする話とか書きたい
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